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上田清司の公設秘書の実名は?女性記者は誰?

2024年4月24日、東京地裁が「取材活動中に起きた性暴力」に国家の責任を認定し、国に賠償を命じる判決を下しました。
被害を訴えたのは、元記者の女性。加害者は、当時参議院議員・上田清司氏の公設秘書でした。

この事件は、ただの民事裁判のひとつではありません。
「権力と性暴力」、「報道の自由」そして「司法がどこまで声を拾えるか」をめぐる象徴的な裁判だったのです。

この記事では、事件の概要に加え、

  • なぜ加害者の名前が出ないのか?
  • 被害者の女性記者は誰だったのか?
  • 司法の認定の重みとは?

といった問いを、ひとつずつ掘り下げていきます。


目次

【概要】“取材”という名の仕事中に起きた性暴力

被害にあったのは、あるメディアで記者として活動していた女性。
2020年3月、埼玉県朝霞市で開かれた政治関係の会合を取材中、上田清司参議院議員の公設秘書と接点を持つことになります。

事件の発端は、その会合の帰り道。タクシーの車内で、突如として秘書からのわいせつ行為。
さらには、その3日後、「国政の裏話を話す」という名目で飲食に誘われ、酒に酔った状態でホテルへと連れていかれ、性的暴行を受けたというのが女性の主張です。

女性はこう訴えました。

「これは取材中に起きた“職権を利用した性暴力”である」
「国家公務員の行為に対しては国が責任を持つべきだ」


【判決】「職務に付随した性暴力」と認定し、国に賠償命令

東京地裁は女性の訴えを全面的に退けることはせず、むしろ性暴力の事実を認定。
そして、以下のような重要な判断を下しました。

  • 性的暴行は、公設秘書が職務上の立場を利用して行ったもの
  • 取材に応じるという形で女性記者に接触し、情報提供をちらつかせながら、関係を持とうとした
  • この行為は「職務に付随していた」と言える

その結果、国に対し440万円の損害賠償を命じる判決が下されたのです。


【議員の責任】上田清司氏は「監督責任なし」とされた理由

当然ながら、世間の目は「その上司である議員」にも向けられました。
女性側は「公設秘書に対する監督義務を怠った」として、上田清司議員にも責任を問いました。

しかし裁判所は、この点に関しては否定的でした。

「公設秘書の行為が上司である議員の予見可能な範囲を超えていた」
「上田議員に具体的な注意義務があったとは認められない」

この判断により、上田議員自身が法的責任を負うことはありませんでした。
議員本人は、「訴訟の当事者ではないためコメントできない」としています。


【評価】弁護団「報道の自由を守る判決」と位置付け

被害女性の弁護団は、判決を「実質的な勝訴」と受け止めています。
その理由は明快です。

  • 報道活動中の記者に対して起きた暴力行為
  • その責任を国家が認める形となった

つまり、これは単なる賠償金の話ではなく、**報道の自由と安全を守るための“司法の一歩”**だというわけです。

特に、権力者やその周辺にいる者からの圧力や暴力に対して、記者が自らの安全を確保できないとすれば、健全な取材活動は成り立ちません。


【加害者は誰?】なぜ名前が出ないのか?

ここで多くの人が気になるのが、「加害者は誰なのか?」という点でしょう。
しかし驚くべきことに、秘書の実名は報道されていません

これにはいくつかの事情があります。

● 刑事ではなく民事訴訟だった

秘書は起訴されておらず、刑事責任を問われたわけではありません。実名報道は通常、刑事事件で有罪となった場合に限られる傾向があります。

● 報道倫理とリスク管理

民事判決のみを根拠に実名を出すと、メディアは名誉毀損で訴えられるリスクを抱えます。そのため、実名を伏せる選択がなされがちです。

● 権力構造と沈黙

公設秘書という“国家に属する職”に就いていた人物だからこそ、メディア側の忖度や慎重な態度が働いた可能性も否定できません。

「国家の責任が認められたのに、加害者の名前は非公開のまま」――
これが、今の日本の現実です。


【被害者は誰?】女性記者の素性とメディアの沈黙

では、逆に被害者である女性記者は誰なのでしょうか?

結論から言えば、この女性の実名も公表されていません。
ただ、以下のような情報は報道などから読み取ることができます。

  • 当時、報道機関に所属していたプロの記者だった
  • 政治家の動向を追う、社会部もしくは政治部系の担当記者だった可能性が高い
  • 事件後、退職したか、記者活動から離れた可能性がある

この女性があえて実名を伏せているのは、おそらく自らの身の安全、名誉、精神的負担への配慮が理由でしょう。

性被害を受けた女性が実名を明かすことは、今の日本社会では依然として大きなリスクを伴います。
特に、SNSによる二次加害や誹謗中傷が蔓延する今、匿名で闘うことは**“逃げ”ではなく“戦略”**であり、尊重されるべき選択肢です。


【社会への問い】「声を上げても、名前も顔も出ない」現実はどう変わるのか

この事件の本質は、「司法が性暴力を認めた」ことでも、「国家に賠償責任が生じた」ことでもなく、**“加害者も被害者も、実態が不透明なまま進行する構造”**にこそあります。

  • 加害者は誰か? 今どこで働いているのか?
  • 再発防止策は講じられているのか?
  • 記者という職業が、安全に取材できる環境になっているのか?

こうした問いは、依然として宙に浮いたままです。


【結論】司法が一歩踏み込んだ今、社会は“その先”を問われている

この事件は、取材活動という公共的な場で起きた性暴力に、国家が責任を問われるという画期的な例となりました。

でもそれは「終わり」ではなく、ようやく見え始めた「はじまり」に過ぎません。

加害者の名前が出ない。
被害者も沈黙を強いられている。
記者という職業が、本来あるべき“自由な空間”から逸脱している。

司法が「事実」を認めた今、私たち社会は、「ではどうするのか?」を問われています。

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