バスケ漫画の金字塔『SLAM DUNK(スラムダンク)』。その作者として世界中のバスケットボールファンに知られる井上雄彦さんには、実は“リアル”スラムダンカーの長男がいるんです。その名も「井上大道(いのうえ・ひろみち)」さん。
名前だけ聞けばピンとこない方も、2025年春のBリーグニュースで話題となった「鹿児島レブナイズに特別指定選手として加入」の報道で初めて知ったという方も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな若きプレーヤー、井上大道さんのプロフィールやこれまでの歩みについて、深掘りしてご紹介します!
■ プロフィール:井上大道(いのうえ・ひろみち)とは何者か?
- 生年月日:2005年7月1日(現在19歳)
- 出身地:東京都
- 身長/体重:180cm/75kg
- ポジション:ポイントガード(PG)
- 所属:B2リーグ・鹿児島レブナイズ(2025年〜特別指定選手)
正直、父・井上雄彦さんが漫画家という時点で“只者じゃない感”はあるのですが、大道さん自身も相当に芯のあるプレイヤーです。180cmという身長は、バスケットボール界で見れば飛び抜けた高さではないものの、その分、技術と判断力、そしてスピードで勝負する“頭脳派”ポイントガードとしてのポテンシャルを持っています。
ちなみにレブナイズでは背番号「0」を選択。これには「新たなスタート」「初心にかえる」という意味が込められているとも言われています。
【小学校時代】バスケとの運命的な出会いと“SLAM DUNK”の原点
井上大道さんが生まれたのは2005年7月1日。父・井上雄彦さんと同じく、東京都で育ちました。漫画家として多忙を極める父ですが、家庭では物静かで優しいお父さんだったそう。
そんな大道さんがバスケットボールと出会ったのは、小学2年生のとき。友人の誘いで参加した地域のミニバスチームが、すべての始まりでした。
このとき、彼の心をさらに突き動かしたのが、そう――父の代表作『SLAM DUNK』。自宅にあった単行本を何度も読み返し、特に“三井寿”というキャラクターに深く心を奪われたといいます。
「バスケがしたいです……!」
作中でもっとも有名なこの名台詞を、彼もまた、胸に秘めていたのかもしれません。小学生ながら「かっこいい三井みたいになりたい」と語っていたそうで、試合ではシュート精度が高く、ポジションは早くもシューター寄りだったとか。
父・雄彦さんも「彼が本気でバスケをやるなら」と、表には出さずともそっと見守っていたと言われています。
【中学校時代】梅丘中学校での覚醒。バスケの楽しさから“勝負”へ
小学校時代に芽生えたバスケットボールへの情熱は、中学に入ってから一気に本格化します。大道さんが進学したのは、東京都世田谷区立の梅丘中学校。地域でもバスケ部が活発なことで知られている公立校です。
彼は中学入学と同時にバスケ部へ入部。ここで初めて“勝負の世界”というものを体感したといいます。小学生の頃は「楽しいからやる」だったバスケが、中学では「うまくなって勝ちたい」という気持ちに変化したのです。
当時の指導者によると、大道さんは常に一番に体育館に来て、黙々とシュート練習に取り組んでいたそう。部活の練習以外にも、自宅でもドリブル練習や筋トレを自主的に続けていたといいます。
驚くべきことに、彼は“父の名前”を一切前面に出すことなく、「ただの1プレーヤー」としてチームに溶け込んでいたとか。
ポジションはポイントガード。視野の広さと判断力を活かして、ゲームを組み立てる役割を任されていたそうです。仲間を活かし、自分も得点できる、そんな“理想の司令塔”を目指して奮闘する日々でした。
【高校時代】駒澤大学高校からアメリカ留学へ。“本場”の厳しさと魅力を体感
高校進学後、大道さんが選んだのは、東京都内にある「駒澤大学高等学校」。大学附属の進学校でありながら、バスケ部も強豪として知られる環境です。
ここで彼はさらなる飛躍を遂げますが、運命の転機が訪れたのは高校2年生のとき。なんと、彼は“単身渡米”を決断し、アメリカの名門プレップスクール「セントトーマスモアスクール」に転校したのです。
この学校は、NBA選手も輩出している全米有数のバスケットボール育成校。身長や身体能力に恵まれた選手たちがしのぎを削る、いわば“リアルSLAM DUNKの舞台”です。
日本とは桁違いのフィジカル、スピード、タフさ――。大道さんはそのすべてに衝撃を受け、そして必死に食らいついていったといいます。
「悔しくて、何度も泣いた。でも、もっと上手くなりたいと思った」
彼のこの言葉には、スポーツを本気でやっている人にしかわからない“壁”との対峙がにじんでいます。
留学中は、試合や練習の合間を縫って勉強にも全力で取り組み、語学力も飛躍的に伸ばしたそう。チームメイトからも信頼される存在に成長していきました。
【大学〜現在】鹿児島レブナイズでプロデビュー。父と同じ“ルーツの地”で咲くバスケの花
高校卒業後の進学先については、公式には明らかにされていませんが、2025年3月、大道さんは「Bリーグ・鹿児島レブナイズ」に特別指定選手として加入し、ついにプロバスケットボール選手としての第一歩を踏み出しました。
鹿児島といえば、井上雄彦さんの父方のルーツがある場所。大道さん自身も、「おじいちゃんやおばあちゃんが暮らした思い入れのある場所でプレーできて嬉しい」と語っています。
背番号は24番。これはもしかすると、あの“コービー・ブライアント”へのオマージュかもしれません。
B2ながらも、鹿児島レブナイズは熱狂的な地元ファンに支えられる人気チーム。ここでの経験が、彼をさらに大きく成長させてくれることは間違いないでしょう。
【まとめ】“SLAM DUNKの息子”ではなく、“井上大道”という名の選手として
井上大道さんは、確かにあの名作『SLAM DUNK』を描いた井上雄彦さんの息子です。しかし、彼は“その肩書き”に甘えることなく、自分自身の努力と覚悟でバスケ人生を切り拓いてきました。
どんなに恵まれた環境にいても、それを活かすのは自分自身。彼はそのことを身をもって証明してくれています。
もしかすると数年後、B1リーグや、はたまた海外のプロリーグでその姿を目にする日が来るかもしれません。そのとき私たちは、きっとこう思うでしょう。
――「リアルSLAM DUNKは、いまも続いているんだな」と。
これからも、井上大道さんの活躍から目が離せません!

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